恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
玄関まで、松田さんについて行く。

「はい。どうぞ?:

靴を履き終わった松田さんに、鞄を渡す。

「ありがとう」

ふわりと微笑む。

ドキッ

「お、おやすみなさい」

「おやすみ。俺が出たら鍵をかけるように」

むっ。また子ども扱いされる。

「……」

私の頭の中で上に、大きな手が乗り、

「子どもじゃないから、言ってるんだ」

ジッと見つめられる。

ドキドキドキ…

「…はい」

ふっ…と満足げに微笑む。

「おりこう。よく言えました」

くしゃりと私の頭を撫でた。


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