恋の悪あがき〜甘い香りに誘われてⅡ
「焦らなくても、必ず現れるよ。きみのココを見てくれる奴が」

自分の胸を指差し、ニヤリと笑う。

ジャリ…

「俺が相手になってやろうか?」

至近距離でささやかれ、ドキリとする。

「いや…遠慮しときます」

冗談じゃない。こんな分かりにくい男。
しかも、こんな同情されるみたいな形で付き合うなんて、無理、無理。

「へぇー、それは残念だな」

「なんですかぁ〜、その棒読みはっ」

グイッと近づき、私の頬に手をあて、私の顔をのぞき込む。

「遠慮しなくていいぞ?俺は、かなり本気だ」

へっ?



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