才川夫妻の恋愛事情
「んーと……才川が急に〝俺の花村〟って主張しだしたんだ、たしか。あれはいつだったっけなぁー。何がきっかけだったか……」
「思い出してください! 竹島さん頑張って!」
「待て待て。急かしたら出てこない……あー、社内の配置転換のときだ。才川と花村が同じ部になって」
「その配置転換は、いつあったんです?」
「んー、あの時俺も異動になったから……四年前? 俺たちの代が三年目になったとき」
「三年目になって、突然ですか?」
思った以上に手ごたえを感じる情報でつい前のめりになってしまう。入社当時はまったく喋らなかった二人。ある日突然花村さんを特別扱いし始めた才川さん。気になる。
竹島さんは私の勢いに若干ヒきつつも答えてくれた。
「あ、あぁ、突然だったな。そのときまでまったくそんな素振り見せなかったくせに、二人で飲んでたら突然〝花村まじで可愛いやばい〟って言い出して。いや、同期相手に何言ってんだよとそのときの俺は思ったわけだが」
「ほほぉー。それで、あだ名で呼ぶのはやめろと才川さんが仰ったわけですね?」
竹島さんは頷く。