二人は全く似なかった
今度こそ本当に机に向かって勉強を始めた。



最初こそ細かくやっていたがすぐに飽きて休む時間が多くなっていった。



「ふう……疲れた」



いや、まあ実際一時間も経ってない訳だが・・・しょうがない。疲れたんだもの。



「ちょっとだけやるか」



勉強を中断してゲームに手を伸ばそうとしたとき、突然部屋のドアが空いた。



「浩二~もうすぐテストでしょ?お姉ちゃんが勉強見てあげようか?」



突然部屋を開けたのは姉の檜山紗綾(ひやまさや)だった。



毎度思う事だが、人の部屋に入るのにノックもないとはどういうつもりだろう。


いくら姉弟だからって遠慮が無さすぎだと思う。



「姉さんだって自分のテストがあるだろうが。そっちを優先しなさい」



しっしっと手で払う。本当は頼りたいが、なんか頼りたく無いんだよな。



「大丈夫大丈夫。私、もう勉強でやること無いしね。て言うか今勉強してないじゃん」



「休んでんだよ。やる気出たらやるよ」



「それ一生やらないじゃん~」



一体姉さんは俺をなんだと思っているのだろうか。一生はねーよ一生は。



……多分。



「どれどれ、どこでつまずいているんだい我が弟よ。言ってごらん、さあさあ」



「……そうだな。んじゃとりあえず……」



俺は抵抗を諦め教えてもらうことにした。姉さんは言い出したら聞いてくれないし。断る方が疲れるのだ。



「じゃあテスト明けに奢ってね。期待してるよ」



「……えぇ~……」



まあその代償は以外と高くついてしまうんだがな。



ちなみにテストだが、見事に赤点直撃しましたとさ。


だがきっちりとジャンクフードを奢らされたのは何でだろう……。


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