二度目の恋



『佐野課長、デスクワークは私に回してください、少しでも佐野課長が帰宅できるように、私頑張りますからっ!』


課長は一瞬困った顔をしたけど
少しずつ、私に仕事を回すようにしてくれた


それもあり、佐野課長の上がり時間が早くなり、遅くても9時には会社を出れるようになっていた



『これで、奥様とイチャイチャできますね』


冗談で言ったんだけど
困った顔で「しないよ」と言われた


もしかして、うまくいってない?と
不安にもなったけど
私にはどうにもできない、と考えて
何も言わなかった


数年後、佐野課長の左手の薬指から
シルバーリングがなかった


それを気がついたのは
佐野課長が部長に就任した日


フロアの誰もが驚いていた
課長はいつも娘さんの写真を持ち歩いていたからうまくいっていると思っていた
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