二度目の恋
私が正社員になるのを嫌がった
一番の理由が遥輝との時間
『遥輝との時間が大切なのを三木田社長は知っていたから、私を派遣社員でずっと雇っていた……のかも。』
親父の野郎……そう言って
一輝は頭を抱えていた
あ……、
キッチンにいた私は
一輝の隣に座り、一輝を抱きしめた
一輝は滅多に自分の弱さを人には見せない
男の人は特にそうなんだろうけど
今は遥輝がいるのに関わらず
頭を抱えている
一輝は……泣いている、
私は知っている。
あの当時、1年も一緒にいなかった私
一度だけ……頭を抱えているところを
一輝のアパートで見てしまった
何故、どうしてそうなったのかはわからない
けど、一輝は……泣いていた
声を上げず、ただ涙を流していた
まだ大人になりきれてない私は
その場から離れることしかできなかった