二度目の恋



「……親父、」



一輝も思ってもみない三木田社長の行動に驚いていた

三木田社長は一度も目を開けないまま
私達は病室を後にした


私達は、無言のまま帰宅した
コーヒーを淹れ、無言の空気が流れる



遥輝の言葉を思い返していたら
ある事に気がついた



『……もしかして、私もなのかな?』


遥輝と一輝は一斉に私を見た


『ほら、私は派遣社員でしょ?毎年更新だけど、長くても5年くらいって派遣会社から言われたの。本当に必要なら、正社員にする会社が殆どだって……』


「ああ、確かに。派遣会社に払う金額を考えたら正社員にしたほうが安く済むし、ある程度融通がきくからな」


一輝の言葉に納得する
正社員になれば保険はきちんとつけてくれるだろうけど今より給料は安くなる
……賞与があたえられるけど、
けど、残業や接待や付き合いが出てくる
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