二度目の恋



エレベーターが着くと、すぐカウンターが見えた
私に気がついたボーイさんが近づいてきた


「いらっしゃいませ、ご予約のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


『佐野、です』


そう答えるとニコッと笑い
こちらへどうぞ、と案内してくれた


予約、しなきゃ入れないのか?
案内されたのは夜景が見える
ガラス越しのカウター席


「コートをお預かりいたします」


ボーイさんにコートを預け椅子に座る
椅子に座ると、更に夜景が綺麗に見えた


「失礼します」


そう言ってボーイさんはグラスワインを置いてくれた


「佐野様から、お飲みになってお待ちください、とのことです」


赤ワイン……
部長って、そんな人だったかな?
そう思いながらグラスに口をつける


『……美味しい』


綺麗な夜景
ワインを飲みながら、部長を待った
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