二度目の恋
「……田宮さん、ご結婚は?」
そう切り出してきたのは一輝
『……いいえ』
「ならバツイチ?」
『……、いえ』
そう答えると、一輝の眉が険しくなった
答えたくない事を……
ここで答えないのは
さすがに変だろう。
『あなたには関係ありません』
そう言いたかった
「なら、以前からのお話、考えてもらえませんか?」
人事の課長が話し出した
メリットがあるとか、社員になったらとか、話し始める人事の課長
そんな話、ちっとも入ってこない
だって、
ずっと一輝は私を見てくるんだ
その視線が……痛い
「なぜ、苗字が違う?」
そう聞かれてるようで……
これが夢でありたい
夢であってほしい
一輝が派遣先の社長だなんて……。