二度目の恋



「……なんかね、社長はずっと想いを寄せている人がいるみたいなの。それがいつなのかは、定かじゃ無いけど…三木田社長に相当反対されたみたいよ?そりゃ、後継にはそれ相応の相手じゃなきゃダメだろうから……」



その言葉に
私の胸はチクリとした


その相応の相手……


「……政略結婚ってこと?」


そう言葉を挟んだのは遥輝



「そうっ!三木田社長は何度も新社長に話を持ちかけて、段取りまでしたらしいんだけど、新社長は全く興味が無いっていうか、相手にしなかったらしいの……だから未だに独身、その彼女を思い続けて彼女もいないってわけ。」



……まさか、
そう思った
だって、あの人は言っていた
婚約者がいるって……。


……っ!
そう考えていたら、遥輝が私を見ていた
や、やめてよ……


『……私、お風呂入ってくるねー』


そう言って、逃げるように
その場を後にした。
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