溺愛御曹司の罠  〜これがハニートラップというやつですか?〜
「それは結構知ってる人間も居る。
 別にいい」
と言う。

「そ、そうなんですか」
と言いながら、じゃあ、なにがまずいんだろうと思っていた。

「昌磨!」

 廊下の向こうから、女性秘書に連れられた作業着の男がやってくる。

 ちょっと童顔で嫌味のない顔立ちの人だ。

 この人が真島さんかな? と思った。

 昌磨が珍しく気を許したような顔を見せ、二人で楽しく話し始めたので、花音は少し離れて、廊下の隅のソファのある場所から、外を眺めていた。

 街を見下ろしながら、よしっ、高くても、エレベーターみたいに動かなければ大丈夫だ、と再確認する。


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