早く俺を、好きになれ。
「何かあったんだろ?」
やめてよ。
私の心配なんてしないで。
ダメだってわかってるのに、優しくされたら弱さを見せたくなっちゃう。
頼りたくなっちゃう。
虎ちゃんなしでも大丈夫なようにならなきゃいけないのに……。
「咲彩」
「な、何もないよ」
お願い、私のことは放っておいて。
「ウソつくなって。咲彩見てたらバレバレ」
「……れた」
「え?」
「振られた」
「は?」
虎ちゃんはポカンと固まったまま動かなくなった。
意味がわからないと言いたげだ。
そりゃそうか。
「武富君に告ったけど……振られたの」
口に出すと途端に胸が締め付けられた。
再びヒリヒリズキズキ痛み出す。
思い出すと苦しくてどうしようもない。
「は?え、マジ、で?」
「うん……」
っていうか、ツラいから何回も言わせないでほしい。
立ち止まる虎ちゃんを追い越して、そのまま歩き続けた。
今慰められでもしたら、きっとまた泣いちゃう。
これ以上、虎ちゃんに情けない姿は見せられないよ。
「咲彩……」