早く俺を、好きになれ。
そこまでまっすぐ真剣に想ってくれていたなんて。
「末永君だって……諦められないあたしの気持ちがわかるでしょ?付き合ってくうちに、好きになるかもしれないじゃん……!」
涙混じりのその声に胸が痛くなった。
虎ちゃんを想って必死なのが、ひしひしと伝わってくる。
「気持ちがわかるからこそ、お試しで付き合うなんてことはしたくない。ごめん」
「……っ」
どこまでもマジメで、まっすぐで、ブレなくて。
……虎ちゃん。
ごめん。
ごめんね。
虎ちゃんの優しさに甘えるのはもうやめる。
これ以上、まっすぐなキミを傷付けたくない。
私はキリキリ痛む左胸に手を当てて、その場からそっと離れた。
校舎の中はまだまだ盛り上がりを見せていて、お祭り騒ぎ状態。
何となく教室には戻りにくくて、その足で図書室に向かった。
だけど、こんな日に開いてるわけもなく。
鍵がかかっていて中には入れなかった。
とほほ、ついてないや。
図書室の前の渡り廊下の窓から外を覗くと、さっきまでそこにいたはずの虎ちゃんと女子の姿はもうなかった。