早く俺を、好きになれ。


よくよく考えたら、棒の使い方なんて誰でもわかりそうなもんなのに。


今までいかに料理をしていなかったのか、自分でも呆れる結果になってしまった。


私、お菓子作りの才能がないのかも。



「大丈夫だよ、最初はみんなそんなもんだから。初めからうまく出来る人なんていないしね」



「だから自信持って!」と織田さんが私の肩をポンと叩いて励ましてくれた。


ううっ。


良い人だよ織田さんは。


こんな私のことを笑うことなく、元気付けてくれるなんて。



「あ、ありがとう……」



挫けそうになっていた心が織田さんの一言に救われた。



そうだよね。


最初からうまい人なんていないよね。


失敗を繰り返してうまくなって行くんだもん。


だから負けない。


美味しいお菓子を作れるようになるまでは頑張る。



そのあと、マドレーヌ作りが早く終わった織田さんとクッキーの型取りをした。



クールビューティーな織田さんはそんなに喋るタイプじゃないけど、とても優しくて根は真面目。


仲良くなれそうだなって、そう思った。


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