僕の(わたしの)生きる世界1[完]
第一章 芽
キーリ家

ガーナレス国キーリ地方を統治する貴族

ここに今、新しい命が産まれようとしていた。


一族もメイドも執事も朝から慌ただしい。

民も祝い事に今か今かと、心待ちにしていた。


「父上!?もうすぐ産まれるの?」



領主でもある、カルロの元に走り寄るのは、キーリ家の長男の、ユアン 7才だった。


約7年ぶりに、キーリ家で待望の第二子が誕生するのである。



「弟かなぁ?妹かなぁ?」


待ちきれないと言ったユアンとは対照的に、心配で落ち着きがないカルロ。


待機室の扉の向こうには、頑張っているカルロの妻である、アリシアがいる。


お昼に差し掛かろうと言う時に、
突然アリシアに兆候が出た。


そして、もうじき夕方になろうと言う時間。


扉の向こうから、赤子の鳴き声が聞こえた。



新たな命の誕生である。




その新しい命は女の子で、ステラと名付けられた。






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