冷たい温もり。
「・・ったく、”兄妹”揃ってサボりやがって」
___そんな解りきったこと、言わないで。
また二人きりになった空間は音などなくて。
頭がおかしくなりそうだった。
苦しくて空の顔を見れず、振り向けば、夕陽の佇む水平線があった。
「・・・ねぇ、空、なんで私たちは」
「海」
空は私の言葉を遮るように、けれど優しく、私の名前を呼んだ。
海と空はどちらも碧く、果てしない。ここから見える水平線は、まるで海と空が混じり合っているかのように見えるのに。それは錯覚で、偽りで、本当は混じり合ってなどない。
真実とは残酷なものだ。