WOLF-孤独のその先-
再びお弁当を食べだした私達は何気ない会話をポツリポツリと話した。
話すと言ってもほとんど私の質問にキョウヤが答えるって感じなだけだけど。
「ところでキョウヤは何歳なの?」
よくよく考えると、年齢も知らず苗字も知らずそんな中毎日夕食を共にしていた事がなんだかやけに可笑しくて笑える。
だって普通の人達はきっと会話をする前に自己紹介的なのを嫌でもすると思うし、お互いがそれをしていない私達ってよっぽど変なんだと思った。
「23、今年24だ」
23歳だったんだ、凄く落ち着いて見えるからてっきり26歳くらいだと失礼な事を思っていた。
ん?今年24?
今は11月だからつまり…
「12月誕生日なの?」
「あぁ」
「何日?」
「24日」
キョウヤってばなんて神秘的な日に生まれたんだろう、クリスマスが誕生日の人に初めて出会った気がする。
なんて感動していて私に、珍しくキョウヤが言葉を続けた。
「そこで如月組の若頭に就任する」
「…………」
「24歳になったら就任すると生まれた時からずっと決まっていた」