WOLF-孤独のその先-
遠くの方では「キョウヤ余裕ねェなー」なんていうスグルさんの声も聞こえてきて
そんな事よりバイトの内容をメモするのに必死な私はいちいちキョウヤの不機嫌モードに付き合ってる暇なんてなかった。
そもそも何故不機嫌なのかも良くわからないし…
そしてバイトは思ったよりも大変だった。
体力的に大変とかではなく、とにかくメニューの横文字の多さに苦労した。
お洒落な名前をしたお酒の名前を覚えるのが思ったよりも難しくて、書いては見て見ては書いての繰り返しだった。
きっとこんなにカタカナをたくさん読んだ日は始めてかもしれない。
「ナオちゃん、お疲れ様」
「はい、ありがとうございました」