優しくて温かい場所(Gently warm place)

∴∴帰国


あの日から・・
     ・・15年が過ぎ・・・

私と神崎は、日本に帰国した。

神崎は、ニューヨークで実績をあげて
部長としての栄転となった。

二人息子と共に
長男 優也(ゆうや)15才
次男 拓也(たくや)14才。

神崎とは、夫婦になってからも
なんにも変わらず、
ただ、私は二人の子育てに
必死だった。

二人とも、とても心優しく
良い子に育ってくれた。

帰国には、もうひとつ理由があって

それは、神崎の母が体調を崩したのと
痴呆が発症したためだった。


私達家族は、神崎の母と、
一緒に暮らすようになった。

お義母さんは、やはり私の瞳を嫌い
カラコンを忘れると、
騒いでわめいて
大変だった。

神崎は、一人っ子のため
母親に弱く、事あるごとに
私を叱りつけ、母親の過ごしやすい
ようにするのが、お前の役目だと
罵る毎日が続いた。

私は、義母の看護に疲れはて、
その上
神崎からの言葉の暴力に
体調を崩し15キロも体重がおちた。

だが、神崎は体調の悪い私に
母親の世話をするように
怒鳴る毎日が続いて

長男の優也が切れて
「父さんは、何もやりもしないのに
母さんが、どれだけ大変な思いを
しているか、知っているのか?
母さんは、痩せてしまい、体調も
悪いだ、見てわからないのか?」
と、言うと

「子供が、口を挟むな。」
と、神崎は優也を叩いた。

私は、優也を直ぐに庇い
綾華に連絡した。


綾華は、直ぐに車を寄越してくれて
私と優也、拓也は、綾華の家に逃げた。
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