【完】365日、君をずっと想うから。


すると、「ばかばかしい」とでも言いたげに、蓮がふんと鼻で笑った。



「どっちが先とか関係ねぇよ。
こいつの最優先は俺だから」



「……っ」



声を詰まらせたのは私だった。



ぎゅうっと胸が締めつけられたような気がして。



強引な蓮に、なんでこんなにドキドキしてるんだろう。



「行くぞ、花」



口から手が離れたかと思うと、蓮に手を引かれる。



私の手を引いて、ぐんぐん歩いていく蓮。



「た、高橋さん……!
また2学期に!」



引っ張られているせいで、高橋さんの方を振り返り、そう言うのが精いっぱいで。



逆らえなかった、


ううん、逆らわなかった。



振り解けたはずの手を、私は振りほどかなかったんだ。








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