【完】365日、君をずっと想うから。
蓮に触れるのがなんだか怖くて、ずっと避けていた。
だって、きっと嫌われちゃったから……。
あんな態度とっちゃったし、お父さんも蓮にひどい言葉をたくさん浴びせたし……。
蓮、今頃どうしてるかなぁ……。
暗い気持ちで、ぼんやりディスプレイを見つめる。
と、そのときだった。
パッとケータイが明るくなって、ディスプレイにメッセージが表示された。
メールの受信。
送り主の名前を見て、思わずハッとする。
「……っ」
それは、蓮からのメールだった。
《花、空見てる?
すっげぇでかい満月出てるから、見てみろよ。
まさかこんな綺麗な満月も見ずに、寝てんじゃねぇだろうな?》
メールに添付されていたのは、夜空に浮かぶ大きな満月。
蓮……。
直接的な言葉はなくても、励まそうとしてくれている、それが伝わってきて。