夢見姫と7人の王子
窓
彼は私に全てを見せてくれる。
これはこうなってるんだよ。あれはああなっているんだよ。
けれど、見せてくれるだけでそれに近づかせてはくれない。
なんでかなっていつも思う。
彼は聞くたび、危ないから、としか言わない。
けれど、こないだ、私があまりにしつこいからか、とうとう観念してこういったの。
お前を俺の側に留めておきたいからだって。
俺はお前に色々なものを見せてやれるけど、それにお前が夢中になってしまっても、俺の側から離れられないようにしたいんだって。
案外さみしがり屋なのね、と言ったらまあな、だって。
私が照れちゃったよ。
私の不器用な王子様。