いいじゃん、俺の彼女になれば。
だから、もう……。



こんなこと……しないでよ。



唇をキュッとかみしめて、さっきよりも深くうつむいた。



そのとき……。



頬からはずしたあたしの手をキュッと握りしめながら、ゆるふわ王子はあたしに言った。



「ねー。
いつまで、俺のこと、南くんって呼ぶつもり?」



「え?」



「そろそろ……。
“琉玖”って、名前で呼んでくれない?」
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