仮氏
そんなことを考えてると不意にキスをされた。

「ちょっ…!」

びっくりする私。
目を閉じるタイミングすら与えられないほどだった。
彼の全ての行動がまるでこの街と溶け合っているような、そんな気がした。

「ねぇ、友達はいいの?」

「いいの、ちゃんと金払ってきたし」

「そういう意味じゃなくて」

「いいのいいの、俺1人抜けたってどってことないし」

彼はそういうけど、せっかく友達といるときにと思ってしまった。

「それに電話したのは俺からだし」

「…ごめんね」

そんな私の肩をぎゅっと抱き寄せる。

「なになにー?今日はいつもみたいな勢いないじゃん!なんか調子狂うな!」

「そ、そんなこと言ったら隼くんだって今日真面目で変!」

「お互い変だな、今日!」

彼は笑っている。
ありがとう、本当にあなたの言葉に救われた。
…ここまで言えたら違う私になれたのかな?
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