仮氏
車に戻って飲み物を飲むと、私は車を出そうとした。
だけど、それより先に彼はシートを倒した。

「はー。何か落ち着く。」

「少しは緊張しなよ」

「いい意味で言ってんの。」

「はいはい」

「莉音こっちきて」

「はぁ?やだよ」

「いいからきて」

私は彼に引き寄せられた。
そのまま後部座席のシートに押し倒される。

「ちょっと…!」

私がそう言うと、あっという間に唇が塞がれてしまった。

「莉音の車が広くてよかった」

唇が離れて目が合った彼は、いたずらっぽく笑った。
そして今度は私を上にした。

「莉音からちゅーして」

「やだ!」

「いつも俺からじゃん」

「勝手にしてくるんでしょ、隼くんが」

「あはは!そうだった!」

彼は笑ったあと、私を引き寄せてまたキスをした。
引き寄せられた時の力が思ったよりも強くて、男なんだと思った。
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