仮氏
4月になると、本当にパッタリと彼から連絡が来なくなった。
私も、新しく後輩ができて仕事が忙しくなった。
残業も普段より増えて家に帰るのも遅くなった。
スマホを覗いて、溜め息がひとつ出る。
そして私はベッドに潜り込んだ。
1人が好きで1人に慣れていたはずだったのにどうやって過ごしていたか忘れてしまうぐらい、私の日常に彼は自然に滑り込んでいた。
それにここまで音沙汰がないと、本当に私たちの関係が終わってしまったんじゃないかと思った。
だけど、私たちの関係ってそんなもの。
はじまりだってなかったんだから、終わりなんてあるはずない。
それに、彼は本当に仕事なのかすらわからない。
今頃違う女の子と一緒にいるかもしれない。
胸がズキンとした。
「松本先輩、仕事終わったらヒマですか?」
私に声をかけてきたのは、4月に入社してきたばかりの司法書士の卵だった。
「え?書類関係でおかしいところあった?」
私がそう言うと
「違います。終わったら食事でもどうかなと思いまして」
と返ってきた。
「え?」
「だめですか?」
「だめってわけじゃないけど、今日はごめん」
別にごはんぐらい一緒に行ってもよかった。
だけど頭の中でやけに彼がちらついて、うんと言えなかった。
私も、新しく後輩ができて仕事が忙しくなった。
残業も普段より増えて家に帰るのも遅くなった。
スマホを覗いて、溜め息がひとつ出る。
そして私はベッドに潜り込んだ。
1人が好きで1人に慣れていたはずだったのにどうやって過ごしていたか忘れてしまうぐらい、私の日常に彼は自然に滑り込んでいた。
それにここまで音沙汰がないと、本当に私たちの関係が終わってしまったんじゃないかと思った。
だけど、私たちの関係ってそんなもの。
はじまりだってなかったんだから、終わりなんてあるはずない。
それに、彼は本当に仕事なのかすらわからない。
今頃違う女の子と一緒にいるかもしれない。
胸がズキンとした。
「松本先輩、仕事終わったらヒマですか?」
私に声をかけてきたのは、4月に入社してきたばかりの司法書士の卵だった。
「え?書類関係でおかしいところあった?」
私がそう言うと
「違います。終わったら食事でもどうかなと思いまして」
と返ってきた。
「え?」
「だめですか?」
「だめってわけじゃないけど、今日はごめん」
別にごはんぐらい一緒に行ってもよかった。
だけど頭の中でやけに彼がちらついて、うんと言えなかった。