仮氏
だって仕事疲れるもん、彼はいきなり呼び出すし…。
だんだんテレビの音が遠くなっていく。

「莉音!」

呼ばれてハッとする。

「寝てた?」

「ん、ごめん」

「風呂入った?」

「うん、待ち合わせの前に入ってきた」

「まじか!俺入ってないから入ってくるわ」

と言って彼はバスルームに消えていった。
彼の温もりが少しだけ惜しい。
かすかにシャワーの音が聞こえる。

「あ、入ってないって言うべきだったかな…」

でもやっぱり無理。
一度は全部見られているとは言っても、あの時は今とは事情が違うわけだし、いろいろ見られるのは恥ずかしい。
彼と一緒にお風呂も入ってみたいけど…。

「あーっ!何考えてんだろ、私」

ふかふかなベッドにダイブする。

「ふかふか…」

そう呟いてテレビを見た。
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