仮氏
人が行き交う様子をガラス張りのここから眺めているだけの時間だけが過ぎて行く。
私からは別に話すことなんてない。
もちろん彼のご機嫌を取るつもりだってない。
だから、私は黙っている。
そして、彼も何を考えてるのかわからないけど黙っている。
こんな空気だって、なぜか彼といるなら気まずいとは思わなかった。
そうは言ってもこのままずっとここにいたって仕方がない。
ふーっと息を吐くと、私は伝票を持って立ち上がった。
お会計を済ませて店を出る。
見上げればきっと、彼がどんな表情をしてるかわかるけどそれはしないで私は信号を渡る。
「ごめん、莉音」
人混みがまばらになった路地で、慌てて走ってきた彼がそう言った。
「別に謝られるようなことされてないけど」
「うん、でもごめん」
「……」
やきもち?と聞きたかったけど、なんだか違うような気がしてぐっと言葉を飲み込んだ。
でも、なんとなく彼の気持ちもわからなくはない。
彼は私より素直だし、やっぱりなんだかんだ言っても末っ子だなってところがある。
やきもち妬いたところで、どうこうなる関係じゃない。
言ったところで何かが変わるわけでもない。
だって私たち、口を出す権利はないもの。
彼氏でもなければ彼女でもない。
私からは別に話すことなんてない。
もちろん彼のご機嫌を取るつもりだってない。
だから、私は黙っている。
そして、彼も何を考えてるのかわからないけど黙っている。
こんな空気だって、なぜか彼といるなら気まずいとは思わなかった。
そうは言ってもこのままずっとここにいたって仕方がない。
ふーっと息を吐くと、私は伝票を持って立ち上がった。
お会計を済ませて店を出る。
見上げればきっと、彼がどんな表情をしてるかわかるけどそれはしないで私は信号を渡る。
「ごめん、莉音」
人混みがまばらになった路地で、慌てて走ってきた彼がそう言った。
「別に謝られるようなことされてないけど」
「うん、でもごめん」
「……」
やきもち?と聞きたかったけど、なんだか違うような気がしてぐっと言葉を飲み込んだ。
でも、なんとなく彼の気持ちもわからなくはない。
彼は私より素直だし、やっぱりなんだかんだ言っても末っ子だなってところがある。
やきもち妬いたところで、どうこうなる関係じゃない。
言ったところで何かが変わるわけでもない。
だって私たち、口を出す権利はないもの。
彼氏でもなければ彼女でもない。