史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
「あのー、なんで私は霧島さんと二人でこんなとこにいるんでしょうか?」


こんなところと言っても別にいかがわしい場所でもなくて、普通のバーなんだけどね。

けと、この状況が全然つかめない。


「自分より年収低い男と飲みに行く気はなかったんだろ。だったら、別にいいじゃん」

霧島さんは社内で見せるのと同じ涼しい顔だ。あんな修羅場を見られた後とはとても思えない。


「けど、意外だったな。 佐倉は綺麗で仕事も出来て、性格もいいって評判だったのに。 男を年収で決めるタイプだったのな」

霧島さんは鼻で笑った。

この人は本当に・・・


「霧島さんは噂に違わない、いい性格ですねっ。
私もしっかり聞きましたからね。女は消耗品だってセリフ」


「女に取っても男は消耗品だろ。別に男尊女卑的な意味合いでは言ってないよ。

恋愛なんて趣味と同じで、飽きたら他のものにかえるだけだ」

「彼女はそうじゃなかったかも知れないですよ」

霧島さんは私の攻撃にも顔色一つ変えず、シャンパンをゆっくり飲み干した。

「あの子は本命の彼氏がいる。 俺とは最初から遊びの約束だった。
それを彼氏と別れるから付き合ってくれって勝手な事を言い出したのは向こう。

それは無理だって言う俺は最低か?」


「うっ・・・」


「佐倉を狙ってた男、普通にいい奴そうだったよなー。 別にニートって訳でも無さそうだったし、それを年収だけで切り捨てる女と俺とどっちが最低かなぁー」

霧島さんは心底楽しそうだ。

この人、ドSだ・・・。
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