史上最悪!?な彼と溺甘オフィス
「いやだね。時間の無駄」

案の定というか何というか・・・
一瞬たりとも悩むことなく即答された。

「でも、私達の仕事が円滑に進められるのって森口さん達のサポートのおかげですよっ。 労をねぎらうつもりで、どうですかね!?」

「それは管理職の仕事で俺の仕事じゃない。 まぁ、どうしてもって言うなら・・」

「え!?」

「金は出すからお前が飲みに連れてってやれよ」

霧島さんは本気で財布からお札を出そうとするので、慌てて突き返す。

「それじゃ意味ないんですよ! 森口さん達は霧島さんと飲みに行きたいんですからっ」

霧島さんは不愉快そうに溜息をつく。

けど、私はめげずに頑張ってみた。


「森口さんの同期、可愛い子が多いって評判なんですよ。
きっと霧島さん好みの子もいると思いますよ」

「どんなに好みでも会社の子には手は出さないよ。そのくらいのリスク管理はする」

「えぇ? なに、さらっと嘘ついてるんですか? 色々噂あるの知ってますよ、私」

霧島さんに捨てられたとか振られたって話はあちこちで聞いたことがある。

「噂は尾ひれがつくもんだろ。 俺は会社の子とは関係持たない。
別に社内で探さなきゃなんないほど、困ってないし」

ま、そりゃそうでしょうけど。
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