七色の空
チャプター39
「小さな恋のメロディ」
恋は不思議 恋は不気味 生きた証 生きた誇り 何事も開け放たれていたいものである。
林檎と福生は愛し合った。お互いの性器を舐め合いながら。何の前ぶれもムードもなく。セックスの本来あるべきすがた。
 金がなく、友がなく、恋することもできず、ただ夢と時間だけがあった男の初めてのセックス。
林檎の体温で福生は溶けた…林檎に幸せに生きて欲しかった。


チャプター40
「風邪」

林檎が風邪をひいた。友達と遊びに出掛けたときに、友達の子供が雨に濡れないよう傘を子供にさし、自分が濡れてクーラーのきいた店の中で長い時間を過ごしたことがよくなかったようだ。
福生は映画撮影の現場に顔を出す為、今回は、新幹線の中にいる。隣には子供とその父親が座っていて、寝過ごさないように親子揃って、眠気に耐えている姿が微笑ましい。 車内で林檎からメールが届いた。弱っているのだろう、「タバコ吸ってもいい?」と、意味のない内容。吸いたければ風邪をひいていようが吸えばいいのだ。
福生は返事を返す。
「好きだよ」
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