君と恋の歌

わかってる。

ハルさんの言葉に、黙って笑って水を一口飲み込む。


「待ってみます」

「…そう」


なにを思っているのかわからないが、ハルさんがいつもとは違う様子で言う。


いいんだ。


待つのは嫌いじゃないし、むしろ好きなほうだから。


俺は、本を開いて空が来るのをひたすら待った。


でも、空は来なかった。
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