癒しのひと時をキミに。【ぎじプリ企画】
「ほら」
気づけば温かいコーヒーが差し出されていた。
「ブラックじゃ飲みませんよ?」
苦いのが苦手な私は、ブラックコーヒーは苦手。
「この僕が知らないとでも?キミが飲めるように甘くしてありますよ」
一口それを口に運ぶと、ほんのり甘く私好みになっていた。
「なんて言われたのかは知らないけど、キミは努力家だ。人一倍頑張ってるのも知っている。だから自信を持って」
「なんでそんなこと、アナタにわかるんですか」
ずっとここにいるアナタには、わからない。
「いつもここに来た新入社員は愚痴をこぼす。でも、キミはこぼさない。それどころかここでも一生懸命だ。だから、僕にはわかる」
きちんと彼は私を見てくれている。
他の社員よりも、誰よりも。
「コーヒーは気分も変えてくれる。辛くなったら、いつでも来るといい。僕がキミを癒してあげる」
コーヒーを飲み終わる頃には、どこか気分がすっきりしていた。
やっぱり彼は、頼れる先輩だ。
「美味しいコーヒーをありがとうございます」