幼馴染みの期限


無言で思い悩む私に、広海は右の眉を下げながら深いため息を吐いた。


「はぁ……。許すも何も、会ってみなきゃ分かんないだろ」



……そんなに簡単に言わないで欲しい。


そう思いながらじっと広海の目を見つめると、私の言いたいことが伝わったんだろう。今度は眉間に皺を寄せて、はっきりと苛立った表情になった。


「樹里。……俺はその場のノリで突然何かを決めたり、気持ちが変わったり、流されたりするような軽い人間じゃないんだよ」


「……はぁ??」


思わず間の抜けた声が出た。


その場のノリ?軽い人間じゃないって?


いきなり何言ってんの?


そんなに言い聞かせるように言わなくたって……


……そんなヤツじゃないって、私はちゃんと分かってるのに。


< 158 / 345 >

この作品をシェア

pagetop