幼馴染みの期限
私が楓さんの顔を見ようとすると、ちょうど同じ位置で空と太陽が視界に入る。
日の光にキラキラと輝いて見える、ブロンドに近い髪色のマッシュヘア。くっきりとした二重瞼に薄茶色の瞳。
その整った顔立ちからは想像できないほど、ニッコリと笑ったその顔は、燦々と降り注ぐ日の光のように柔らかで温かな笑顔だった。
『あなたは何者ですか?』
そんな言葉も出て来ないほど、私は楓さんの笑顔に見惚れてしまっていた。
「……で?結局美桜には話さないままですか?」
広海の何だか不機嫌そうな一言で、私はやっと現実の世界へと戻って来た。
「それはお互い様でしょう。だいたい君が急に予定を変更するからこっちだって……」
「おっと、いけない。樹里ちゃんごめんね。何が何だか分からないよね。……えっと、まず僕が何者かを説明する所から始めていいかな?」
楓さんは、広海に向かって何か言いかけたのを、はっと気がついたように私に視線を向けて、「立ち話もなんですから、こちらへどうぞ」と目の前の建物へと促した。