幼馴染みの期限

告白に対応できるキャパすらなかった自分に苦笑いしながらふらふらと歩いて、気がついたらいつもの居酒屋へと足が向いていた。



一人で飲みたいのなら、バーにでも行けばいいのに。

……だけど。


「バーなんて知らないよぅ……」


そんな事ですら半べそをかいてしまう。


一人で飲んだ事なんてない。


いつも私の隣には才加がいて、向かいには広海がいてくれた。


私の恋愛話なんてきっと二人にとってはつまらなかっただろうけど、黙って笑って聞いてくれた。



そう思うと堪らない気持ちになって、鞄に手をかけて、スマホを取り出していた。



指先が画面をタップしようとしたその瞬間にーー




目の前の居酒屋の入り口から、広海と才加が寄り添いながら一緒に出てきたのが見えた。
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