ゾッコン、王子。
「そんなの分からないじゃないの。」



「いいや、分かるよ。君は、春夏秋冬頑張り屋さんだよ。」



なんなのよ・・・なんでか鼻の奥がツーンとしてくる。


そんな優しいことを平気で言わないでよね。


流石、みんなの王子サマね。
私も、あなたとしゃべらない日はないけど、他の人だって、きっとあなたにゾッコンよね。



こんなに優しい眼差しで包んでくれる人はなかなかいないわ。



「少しは、力を抜きなよ。」



「え?」




「君は、何をやるにも力み過ぎるってこと!少しは弱い自分を見せて良いんだよ。」



あなたは、私の頭に触れた。
チョンと、掌を置いてゆっくりと頭を撫でてくれる。




「どうしてそんなに優しいの?」




「う〜ん、何でなんだろうね。ボクはきっと君が大好きなんじゃないかな?」



あなたが疑問付を突き付けてくるから、私は思わず笑みが溢れる。



「あなたがいなくなると、寂しいな・・・」



「どうして?」



「だって『12月』でこの会社とはお別れするんでしょ?」


私がそう云う彼は、ぷくっと頬を膨らませる。

ふふ、なんか子どもみたい。

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