【完】最初は、それだけだったのに。
胸が熱い。


* * *


「…で、そのドキドキする原因を教えてほしい、と。」


「はい。絵麻さんご教示お願いします。」



あのあと普通に話しながら作業が終え、帰った。


少し暗かったため彼が送っていくと言ってくれたが申し訳ないため断った。


だが住所を聞かれ答えると彼の帰る通り道らしく一緒に帰ることになったのだ。


…けど家に入ろうとした時、来た道を戻って行く彼の後ろ姿が見えた。


気遣ってくれたのかなと彼の優しさに触れ、自然と笑みがこぼれた。


それと同時にまた胸の奥が熱くなり、心拍数が上がった。


ひとりで考えたものの、答えは出ず…というわけで絵麻さんに昨日あったことを全て話し、相談したというわけだ。





「うーん、これは自分で気づいた方がいいんだけどね。しょうがないから教えてあげる。」




前の席に座る絵麻は私ひぐっと近いてこう言った。




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