不器用な彼が隠した2文字
『嫌いなんて、そんなこと』

◻︎溢れた雫は夕日のせい





それから3日間くらい朝比奈先輩は学校を休んだらしい。


そのあと、廊下で見かけても、話しかける勇気なんてなくて。




すれ違った時に一度だけ、

「小日向」って、呼んでくれたことがあったけど。




何を言われるのか怖くて、聞きたくなくて、思いっきり避けてしまった。





だって「キスのことは忘れて」とか。

「もう付きまとわないで」とか。


そんなこと言われたら私はきっと立ち直れないし。




それに、ハッキリと振られてしまったら、諦めるしかなくなってしまうから。





< 181 / 341 >

この作品をシェア

pagetop