不器用な彼が隠した2文字




ことごとく失敗した作戦を振り返って、しゅんと落ち込む。


まあ、朝比奈先輩が誕生日とか記念日とか、そういうのを覚えているタイプには見えないけどさ。





…別に、プレゼントが欲しかったわけじゃない。


ただ、なんて言うか、その。


…デートが、したかったんだけどなぁ。





大切な日に、大切な人が隣にいて。

おめでとうなんて言ってくれたら、それ以上に幸せなことはない気がして。




さすがに当日になってしまうと、誕生日だよって言えない。


忘れてた、みたいな顔されたらちょっとだけショックだし。

朝比奈先輩にも気を使わせてしまうかもしれない。




< 318 / 341 >

この作品をシェア

pagetop