不器用な彼が隠した2文字




「…どうかした?」



「あ、いや、何でもないです!」




あはは、と笑うと、不思議そうな顔をされた。

うん、まあいいや!

朝から会えたし。

ちょっと贅沢な願いすぎたかもしれないし。





「じゃあな」




3年生の昇降口に向かっていく朝比奈先輩の背中を見て、ため息をつく。



「…やっぱり、デートしたかったなぁ」




< 319 / 341 >

この作品をシェア

pagetop