不器用な彼が隠した2文字
「私の好きな人、人気者ですごいなぁって尊敬する!」
へらりと笑うと、少し驚く紫乃。
「へえ、そういう思考なの」
「うん、それに……」
「行かねぇよ、あと邪魔」
女の子たちの中から聞こえてくる気だるげな声。
「えー、もう冷たいよ〜」
「でも格好良いー!」
それでもきゃあっ、とあがる歓声。
「…なるほどね」
朝比奈先輩は、誰にだってあれくらい冷たいから。
まあ、私にも冷たいんだけどさ。