不器用な彼が隠した2文字
…と、偶然後ろを振り向いた朝比奈先輩と、交わった視線。
ドキン、と胸が鳴る。
げ、とでも言いたげに眉をひそめる朝比奈先輩。
だけど、すぐに足を止めてこちらに歩いてくる。
「ちょっと、朝比奈くんどうしたの?」
「悪い、こいつに用あるから先行ってて」
そう言って私を指差した朝比奈先輩。
「へ……」
「えー、誰あの子?」
「2年生じゃない?」
女の先輩たちの視線が鋭く刺さる。
こ、怖い…。
それでも先に歩いていった女の子たちに、ホッと息をつく朝比奈先輩。