フテキな片想い
真央@10月28日は何の日だ?


「できた?」


隣で、サインペンを動かしながら、星夜が訊ねる。


「次は何をすればいいんだ?」


テーブルの上には、丸く切り抜かれたプラスティックのシートが二十枚程ある。


星夜の指示通りに切り抜いたものだった。


「そしたら、アルミホイルを用意して___、こんな風にくしゃくしゃに___」


星夜はキッチンからアルミホイルを持って来て、四角く切ったホイルを手のひらでくしゃくしゃにし、再び開く。


「ええと、オーブントースターを200℃に設定して、一分半温めておく___と」


テーブルの上にセットしたオーブントースターの電源を入れると、取り扱い書を読みながら、手元に割り箸と、厚めの漫画雑誌を用意する。


その雑誌は俺が毎週買ってるやつだ。


チン!とタイマーが鳴ると、星夜はトースターの蓋を開け、くしゃくしゃのホイルを敷いた。


アルミホイルの上に、さっき切り抜いた丸いプラスティックのボードを、お互いがくっつかないように並べる。


「よし、加熱」


付属のダイヤルを回すと、席に着いた。



< 113 / 274 >

この作品をシェア

pagetop