フテキな片想い


「真央、ちょっと話そうよ」


寝る前にひょこりと俺の部屋の扉から顔を出す美雨。


二人でテレビの前に座って、今日は学校でこんな事があったとか、このドラマの俳優がカッコイイとか、ダラダラと下らないことを話す美雨に付き合う時間が好きだった。


たまに真剣な顔つきになって、友達に言えないような心の悩みや愚痴を、俺だけに話してくれるのが嬉しかった。


美雨の秘密を俺だけが共有してる気がして。


あぁ、今、解った。


俺は傍にいれるだけでいいって思いながらも、みんなが知らない美雨を知ってる事で、彼女を独占したかったんだ。


「いつか美雨のお母さんと児玉のお兄さんが結婚したら、戸籍上は二人は兄弟になるんでしょ?血の繋がりはないから、恋愛するのは自由かもしれないけど、美雨のお母さんと児玉のお兄さんは四人で家族になりたいって思ってるんでしょう?きっと美雨もそう。美雨を女の子として好きで、それでいて家族だからって割り切って、想いを告げずに心を押し殺して、ずっと家族のフリを続けるの?」


何も言えなかった。


幡谷さんの言ってることは正しい。


そういう風に考えるのが嫌だったから、自分の気持ちはいつか伝えらればいいなんて、答えを先延ばしにしてた。




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