フテキな片想い


リボンのついた包装紙を開くと、ショルダーバッグが出て来た。


ペンギンのロゴのアメリカブランドのバッグ。


つばさんと出掛けた時に、目についたあのバッグだった。


もしかして、誕生日プレゼント?


枕元の携帯を掴み取り、真央にLINEを送る。


___おはよう。プレゼント受け取りました。私がこのバッグ欲しがってたのつばさんに訊いたのかな?ありがとう


今日は帰って来るよね?___そう打ちかけて、悩み、結局その部分は削除して、メッセージを送信した。




「美雨ちゃん、おはよう」


制服に着替えて、リビングに降りて行くと、玲央さんが朝食の用意をしていた。


疲れた顔をしていた。もしかして眠れなかったのかな?


席に着くと、フレンチトーストとサラダの乗ったプレートを目の前に置いてくれた。


「カフェオレでいいかな?」


「お願いします」


いつもと違って静かな朝だった。


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