フテキな片想い
俺の中に積もったイライラがあの瞬間、スパークしてしまった。
美雨の誕生日を祝ってる最中に、家族の団欒の場で。
お兄にヒドイ事を言ってしまった。
ずっと胸の奥に仕舞っておいたけれど、それを口にしたら、お兄を傷つけてしまうのは解ってたのに。
晴美さんが怒ったのは、無理もない。俺は、自分の思い通りにならなくて、駄々をこねる子供と一緒だ。
裏切られたような気分と、自分は美雨への気持ちを必死で押し殺しているのにという辛さと、色んな感情が押し寄せて来て、自分の中にこれ以上、収めておけなかった。
気付いたら泣いていた。
久しぶりに泣いた。
まだ小さかった頃に、親がいなくて寂しかったり、同級生からからかわれて悔しかったりした時の気持ちを思い出した。
お兄の前で泣いてしまってはお兄が心配するから、トイレに籠って、布団を頭まで被って、その頃の俺は声を押し殺して泣いてた。
「今までずっと、そうだったの?玲央さんに言えない事、辛い事、自分の中に押さえつけて、ずっと一人で泣いてたの?」
美雨に見透かされてしまった。泣いてるとこみられるなんて、ダサすぎる。
合わす顔がない。
逃げるように部屋を出て来てしまった。