フテキな片想い


「つばさん、ごめんなさい。つばさんを応援したい気持ちがあるって言いながら、私、たった今、自分が誰を好きなのか解ったの。つばさんが前に言ってくれたみたいに、この気持ちは私の中にあったみたい」


電話越しに思いを告げた。


口から出た言葉を噛みしめると、泣きそうになった。


「……ごめんなさい」


つばさんの気持ちを知ってたのに、私は本当に鈍感で___


___「謝らないでよ。私は、とっくに振られてるんだからさ」


少しの沈黙の後で、つばさんはそう言った。


___「今、児玉といるの?」


「今は星夜くん、蛍さんの弟さんと一緒にいます。今から、真央を迎えに行きます」


「そう」とつばさんは短く答えた。


___「芽衣子には私から言っとくから……あのね、美雨。私さ、児玉よりずっといい男見つけるって誓ったから。全然大丈夫だからさっ、美雨は私に気兼ねするなよ。自分の気持ちに正直に!ね?」


返事をする間もなく、電話は切れていた。


「美雨ちゃんの靴ってどこにあるの?僕、一旦教室に戻って、真央のカバン取って来る。真央のことは、後は美雨ちゃんに任せるよ」と踵を返して階段を駆け上って行った。


暫く、画面を覗き込んだまま呆然としていた。


何となく、つばさんから応援してもらったような気分になった。




< 257 / 274 >

この作品をシェア

pagetop