フテキな片想い
男以上にさばさばとした性格で、高二で周りは年上だらけにも関わらず、ファミレス仲間からは「姉御」と呼ばれていた。
髪はいつも短く、ほんのりと焦茶色に染められて、私服はダメージジーンスとかミニタリーのブルゾンとか、背は低めで華奢だから女だと認識は出来るものの、遠目からみると小柄な男子にも見えた。
今日は制服姿で、スカートを履いているのがなぜか新鮮に見える。
「先、着替えますか?」
スタッフルームは四人掛けのテーブル席と、事務作業を行うディスクと、鍵付きの脱衣所が設けられただけの狭いスペースだ。
コスチュームはキッチンとホールに分けて、壁際に並ぶポールにスタッフ全員の分が、並んで掛けられている。
基本、着替えは脱衣所にて、交代で行う。
ホールのコスチュームは黒のハンチングとエプロンにズボンと靴、季節毎で色の変わるポロシャツだ。
九月になってから、ポロシャツの色は辛子色になった。
ホールスタッフには、基本、コスチュームは二枚づつ配られ、洗濯は各自で行う。
女性スタッフはズボンがスカートになる。
「サンキュ、そうさせて貰う」
学生カバンを貴重品用のロッカーに放り込むと、幡谷さんはキッチンのコスチュームを手に取る。
キッチンのコスチュームは、全身黒に赤いラインがポイントで入ったコック帽とコック服だ。