【完】ヘタレな彼氏
「あたしは優が好きだよ。すごく。
手を自分から繋げないヘタレな優も。
キスをしたくてもできないヘタレな優も。
キスが下手っぴな優も。
あと…」
腕につけてた髪ゴムで優の前髪をしばしってあげる。
なんの障害もなくはっきりと見える優の目。
「この綺麗な真っ黒の目も…」
思わず吸い込まれそうなくらいの漆黒の綺麗な色。
サラサラした黒髪を触る。
「この短い黒髪も…」
少しずつ近づいてチュッとキスをする。
とたちまち真っ赤になる顔。